雑感20170115

2017年1月15日

アパートの花壇にアジサイが植えられているのだが、冬場に枯れきったように見えた枝の先に、年末頃からぷっくりと緑色が出てきたかと思うと、ついには新しい葉が芽生えた。
草木や花は、春や夏になったからと言って急に生き返り芽吹くのではなく、こんなに寒い冬の間も当たり前に成長し続けているから春や夏にその成果が出るのだ。なんて示唆的!

だがよく考えれば、当たり前のことなのだ。
常識と思っていたことが歪んでいるだけなのだ。
たったそれだけのことに気がつくために、37年もかかってしまった。

春夏秋冬のステレオタイプさえ鵜呑みにできないというのは、なんだかたいへんだな。


今年の冬はとても寒い。
外に出たくないのを無理して出るが、すぐにつらくなって家に戻りたくなる。

でも、よく考えてみると、つらいのは体の一部分だけであることに気づいた。
押入れから何年かぶりのマフラーを取り出し、顔の下半分を覆って出ると、格段に楽になった。
マフラーの意味がよくわかった。
「マフラーは寒くなったらするものです」という頭の中のラベルに、注意書きの段落が書き加えられた。

論理が飛躍してしまえば、それは儀式やまじないにしかならないんだよ。


日々、どれだけのことを、歪んだ常識を通して見ているんだろうか。
自分の日常はどれだけ歪んでしまっているのか。


でも、いつもいつも自分の頭で考えるのは疲れる。
自分の頭で考えたことって、意見や主張みたいな公的な意味合いを帯びてしまうから、考えた端から私的なものでは無くなっていってしまう。

今は、自分の頭で考えて、再構築することばかりで、余裕が無くとても疲れている。

自分はずっと私的な部分の無い人間だと思っていたんだけど、ほんとうは言葉にならないプライベートがあって、それが最後の逃げ場所だったんだな、っていうことを今更ようやく知って、逃げ場の無くなった手遅れの精神世界を見て呆然としている。
何の重みも持たないはずの自分の名前を投げ捨てて、なんでもないファジーで孤独な自分になりたいという衝動が生まれる。


こんないっぱいいっぱいなのに、やはり自分の人生は相変わらず渇いてしまっていて、いつか輝いていたものを思い出してはその幻想に酔っている。

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